ティンバーランドは地域サービスをしたい、Cityyearはそれを教ええるというかたちで協働に至った。もう10年になり、今は統合の段階が進み、双方が使命、価値、戦略が近いものになってきている。
単なるプロジェクトの協働ではなく、すべてにおいて統合企業、合弁企業のようになってきている。さらに、様々なサービスを展開しており、製品も一緒につくるようになった。
関わりが深くなるにつれ・・・
・係わり合いの度合いが増す
・使命が重要になる
・資源、人、市、などもてるものすべてが大きくなってくる。
・協働できる活動の範囲が増える
(つまり、相互作用の段階が高まってくる。)
・パートナーシップを経営するうえでの複雑性が高まる。
・それぞれの団体の選択的な価値も高まる
このような形の協働の方法が企業とNPOにおいては行われている。
企業とNPOがどのような関係にあるのか、どのような関係・協働を築きたいのか判断の指標になる(表を参照)。
パートナーシップにおいて、企業とNPO、それぞれの組織が持つ「使命」が重要になってくる。
企業とNPO/NGOのパートナーシップにおいては、まずつながりをつくることが重要で、次の4つが大切。
1.個人の経験にふれること
(企業側がNPOと関わるときに使命を見出すことができるか)
こんな事例も・・・
ある会社の重役の家族に癌の患者がいて、パートナーシップに慎重になっていた。
2.核となる価値を見いだす。
3.トップのリーダーシップを強化すること
NPOが持っているものが企業が欲している能力や技術があったということ。非常に戦略的に有効なものはトップの協働が不可欠。時々リーダーの中ではシティ・イヤーとティンバーランドはトップだけでなく従業員も一緒にヘルスクリニック病院をした。
チームを組んでサービスを提供し、あらゆる蚋が協働して働いているのを見て事業を終えたときはみんなが本当に疲れていたが、しあわせだった。みんながとても有意義出。企業はそれを自社でも行いたいと考えた。戦略的に適合していることが大切。NPOと企業の戦略、価値、使命感を一緒にすることが大切。
こんな事例も・・・
雑誌の会社(TimeWarner)がNPO(成人の識字率を高めるサービス)と協働するのは当然。VISAはNPOと協働したが、これはいったいなぜか?
4.モチベーションを高めること
動機付けが高まると、消費者だけでなく従業員も満足を得るようになる。企業に対する忠誠心、生産性、求人も有利、有能な人を選べるようになる。こういった社会的なサービすを行う企業に対し、従業員の定着率も高まる。経営も多角化し、発展する。
何が協働するうえで価値なのでしょうか。
・先行投資をすること、適合性を見いだすこと、専門家の助けをかりることである。
・費用対効果もある。
・企業にとっての利益とは非常にたくさんある。
気持ちの上での満足
評判を高める善意など
・重要なグループにとってポイントとなる利益があること。
(顧客・購買意欲・購買思考)
例えば、同じ価格で、おなじ機能、品質の製品が2つのメーカからあるとする。すると、満足のある企業で消費者は買うだろう。消費者は企業に愛着を持ち、支援する。
・利益を受けるのは信頼性、政治力である。
企業がNPOとパートナーシップをもつ、NPOが企業とパートナーシップを持つことは、社会的に信頼性を高めることになり、政治力が増す、ということにもなる。
・地域、社会へ
コミュニティを企業が助ければ、企業もコミュニティを助けるようになる。社会貢献に企業が乗り出すと、地域との連携も深まる。良い関係が気付ける社会的によいことをしているということで、企業のブランド力も高まる 内部の経営、他のNPOとの関わりも増える。
企業が、NPO/NGOと協業することのメリット
・消費者に対し信用を得ることができる。
企業にとって、NPOと協業することは、それが信用を得ることにつながる。それは顧客に対し、購買意欲をかきたて、イメージアップ、製品やサービスに対して思い入れもプラスされる。
・社員に対し、モチベーションを上げることができる。
自社サービス、製品に対し、「社会的に意義のあることをやっている」と認識するため、社員にとってのモチベーションは高まり、忠誠心も向上し、社内に社員を引きつけることにつながっている。
それは生産性の向上、スタッフ採用の機会にも価値が高まっている。
・社会、政府に対して
多くの資金やメディア、企業に知られ、信頼性、アクセスの向上に寄与している。
良い関係が築ければ、社会的によいことをしているということで、「良い市民からの証明」という評価を得ることにつながっている。
・コミュニティから関与
コミュニティに関与することで、製品、サービス、ブランドの維持へとつながっている。
社会貢献に企業が乗り出すと、地域との連携も深まる。
企業が、NPO/NGOと協業することのメリット
・様々な能力開発につながる
運営技術、コミュニケーションスキル、統率能力(指導力)など、企業から学ぶことは多い。組織として、スタッフとして能力向上につながっている。
・アクセス向上
資金に対して、メディアに対して、政府や他のパートナーなど、企業と協業することで多くの方に目がとまり、NPOにとってはアクセス向上へとつながっている。
・企業の慈善活動による資金確保
企業が、NPOと協力し慈善活動に対し資金を提供することもある。
これらは、NPOにとって結果的に強みになる。
協働にとってもっとも大切なのは、価値の創造へとつながること。
それはどんな資源を使うかによって決まる。はじめはどんなNPO、企業にとっても一般的なもの。
お金、評価の相乗効果はある。
しかし、更なる価値は・・・
お互いの自分の成功にとってキーとなる技術を他者に提供したとき、より大きな成功がある。
その企業がもつ中核となる力(ネットワーク、経営形態、技術など。。)を活用すること。
お互いの持てるものを一緒にして新たなものを生み出すこと。
協働の関係においてはバランスがとれていて双方向であることが重要。
それは、得られるものは違ったとしても公平に流れること。
価値が偏らないように、双方向でのコミュニケーションを保つことが大切で、明確に公平性を保つことが重要である。
バランスが崩れてしまうと、2つのリスクがともなう。
1.モチベーションが減り、協働をやめる結果となる。
2.他のパートナーと協働せずに独裁的に決めてしまうことになる。
ここで大切なことは、交換される利益が目に見える明確な形であることである。
いったん価値がパートナーにいくと、ゼロになる。新しい価値をつぎ込んで行きづつける必要がある。
つまり、ニーズは変化する。そのとき必要としていたものといま必要としているものの違いがある。
時には成功に酔いしれ、満足し、利益の創出が泊まることもある。
↓
革新をしていくことが大切。
関係を維持していくために
パートナーシップにおいては、よりよい関係を運営していくことが必要である。
・責任の明確化、説明責任をはたす
企業やNPOにとってプロジェクトの責任を組織化すること。コミュニケーションを作ることで信頼をつくることができる。
また、信頼関係を維持し、パートナーに対して責任を果たしてもらう必要、果たしあう必要がある。
最後に、協働のガイドラインについて話す。
このような私たちの学びから得たポイントは、
目的の明確性
なぜパートナーを組んでいるのか理解すること
明確でないと混乱し、協働が消滅してしまう
動機、使命館をつなげること
事業を行う上で感じあうエネルギーを共有すること。人々と相互的によい関係を築くことである。
一致、調和すること
すべてに関わる使命、戦略、戦略的な価値をシンクロさせること。
価値の創造
興味深いポイントがある。
うまい協働は、与えてもらえることに対する興味より、私のパートナーに対してどれだけの価値を与えられるかという意見交換がなされる状態である。このような語りかけを両者がすることができればよい協働である。
二つ目にコミュニケーションである。
外部・・・利害関係のある相手に対して
内部・・・なぜパートナをしているかという理解を徹底すること
継続的
継続された強い協働のなかでは、
1.どのように価値をつくるか
2.どうよいクリエイトを行うか
3.パートナーシップに対する全員の意欲があるか
これで協働の段階に起こる問題を積極的に処理していくことができる。
質疑
(参加者)
・コラボレーションとパートナーシップとアライアンスなど、多くの言葉があるが、その違いが知りたい。
(Austin教授)
強・・・アライアンスという言葉が使える。協働に対する温度の差を感じることができるだろう。
・コーポレートバリュー 矛盾するのでは社会的な企業にとって利益
社会的な価値をみいだす
生産への緊張がおこる
例:ビジネスにおいて 広告これは明確である。
企業のいろんな段階で、コスト、利益はからむ。
(参加者)
・大企業と中小企業の差。
・トップと中間管理職のモチベーションの違い。
についてお聞きしたい。
(Austin教授)
トップは長期的な視点をもっているだろう。戦略的に考えることができる。中間管理職は結果をだすことを求められるため、結果を生み出さない。ほかの事にたいして時間を費やせない状況である。
トップはミドル(中間管理職)に対して社会的活動に対する理解を得ることが大切である。地域サービスに対する価値の理解をしたことにより、ミドルの活動へのモチベーションは上がり、いったんこのように評価されるとそれは促進される。
協働の大小の違いにたいしてですが、大きさは問題ではない。対等であれば、大きな協働、小さな協働、関係なく協働のプロセスを適応できる。小さい事業でも大きな企業とコラボレートできる。小さいNPOでも、・・・それぞれに合った協働がある。
(参加者)
Collaboration Continuumの図について
Philanthoropic→Integrattiveへまっすぐ移行しているがすべてそうなる必要があるのか?
協働の資本は何か?
(Austin教授)
自動的に移行するわけではなく様々な決断によりこのような流れがある。
そうなるべきかという質問には、その必要はない。
マネージャーが力があるかどうか問う必要はある。ひとつひとつのプロセスで、ステージが移る段階にあるのかそれができるちからはあるのか。各段階での協働が必要なポートフォリオをマネジメントすることが大切。フィランソロピーでいいなら最初のでよいがさらに大きな協働に進むにはさらに大きな協働が必要だろう。
(参加者)
成功ケースについては大きなネームの企業があった。失敗事例がもしあればお聞きしたい。
(Austin教授)
医者のNPO
エアメール 事前運動のマーケティングを始めた
「サンビングコーポレーション」この会社は台所用品、医療機器を作っている会社だが、商品にたいして企業のイメージがよくなく、それに対する寄付をした。
お互いに協働できなくなり、この企業のハンドミキサーの商品にNPOの名前が入っていたが、それに対しての協働は行っていなかった。なぜ目的と違うところで名前を使うのかと怒った。「何をしてるんだ?」と。
委員会はこれに怒り、協働を中止。
それに対して訴訟まで起され、寄付をもらうどころか1200万ドルを払うことになった。これは使命とは別のものであったのに・・・。
(参加者)
使命の行き違いがこのようになってしまったのですね・・・ありがとうございました。
(以下参加者コメント)
・大学院で次のセメスターに関わるので聞きたいと思って参加した。
・教授の話は所属する財団と同じ考えだ。ただ寄付金を与える関係から、一緒に協働していく関係へ関係を持っていきたいと考えている。財団とNPOの関係と企業とNPOの関係は似ているため大変参考になった。
・企業とNPOの協働を進めていきたい、橋渡しができるように勉強に着た。ありがとうございました。
・東京から参加した。「社会起業家」という本を書いた。5−6年前は検索でもゼロだった。いまは8万件も出てくる。役人起業家を育てたい。
・名古屋で第二回のパートナーシップ5周年記念を迎えた。
第二回パートナーシップ大賞は、NEC,上越タイムス、医療関係のNPOとやっている協働のプレゼンテーションどれも内容が高かったが2つ決定した。昨日は示唆を与えていただき協働に対して、日本でも代わってきている実感がある。
・教授の招待をお世話した。
・子育て支援ネットという団体で代表をしている。協働ということに関しては、地元の商店街と連携している。もうひとつ地域福祉計画に関わっていて、行政とNPOと住人が地域福祉計画を行っていくが、企業がコミュニティの一員としてどのように関わっていくか垣間見たいと思ってきた。
・ボランティアプロジェクトをしている。企業の社会参加促進JUCCEでアメリカへ。実践的にやってきていますので勉強になった。
質問がひとつあるのでお聞きしたい。退職者への効果のあるプロジェクトは企業に関するものなのではと思い、アプローチをするがきまはお金のみで生きがいまでの保障はできていない。退職者は地域とのつながりをもっていない中でその人たちに対してよい効果を与える企業はどのようなものだとお考えですか?なにかモデルがありましたら教えていただきたい。
・企業のCSR、企業とNPOのコラボレーションでで実際に何をしていくか、どう組み込んでいくかやってきているところである。コーポレートインベストメントに関するレポートも
ありがとう。