「デジタル情報革命とNPO」についての感想と質問


大阪大学国際公共政策研究科博士前期課程1年 >高羽淳一
日本サスティナブル・コミュニティ・センターの皆様へ
5月7日の千里でのフォーラム大変楽しく、また興味深く聞かせていただきました。ありがとうございます。ところで先端の技術が進んでいることと、人々があまねくそれを享受できるかというのは別問題です。コンピューターを巡る環境を先端技術だけで判断する危険性にも触れた方が良かったような気がします。い例えば中国やインドの科学技術の水準をどう計測するか。難しい問題です。アメリカでわたしが暮らしていた範囲でもローテクを駆使している人も沢山いました。職場のディレクターはスタンフォード出のエンジニアーで政府のコンサルタントとしてアフリカに赴きネットワークの構築事業などに携わっていたバリバリの専門家です。しかしお金がないためオフィスのコンピューターは骨董品もどきの多数のマック、専用線など夢のまた夢、という感じでした。コンピューター・リテラシーは別の問題としてもアメリカの実体が、講義ほど進んでいるとは実感できませんでした。また心理的な問題も多く残っているような気がしています。今も既に携帯電話やコンピューターの発達は多くの障害者に多くの自立機会を与えました。こういう環境を所与のものとして育つ人には悪いことなど一つもない素晴らしいことだと考えます。ただ現在依存関係にある人々にもたらす心理関係を考えると憂慮すべき事態が立ち上がってくることは、現場での個人的体験の蓄積からも容易に想像できます。外面的、物理的、経済的には一方的に庇護する立場にあるとみなされる人々、例えば知的障害児の親なども、精神的には保護される側と共依存関係にあるこては珍しいことではありません。そうした環境に技術革新がもたらす自立の機会は高い確率で脅威となりうるのです。こうした事態への精神的ケアや対応をなおざりにできない点は見逃せないのではないでしょうか。以上、携帯電話もこわくて触れない技術オンチの戯言でありました。
★メール有り難うございました。 超アナログ人間の浅野です。時代は変わり、それにより良くなることもあれば、その 反対もある。しかし、時代は変わる。 「アメリカでの経験は......」は、少々事実のデフォルメ?日本が豊かな国と言え ば、すべての人が豊かというのと近いような気がしませんか。見た事実と客観的事実 とはイコールではない。気分を害したら済みません。私もアメリカにいましたが、私 の住んでいたシアトルがアメリカかというと違うようで、同じ。 日本サスティナブル・コミュニティ・センターの「デジタル・コミュニケータ事業」 はローテクを広げるプロジェクトです。情報のバリアフリーとはローテクを広げるこ とではないかと思います。 浅野

●OSIPP D1 恩田 光子
音声リーダーを使ってのパソコンやインターネットの使用指導を通して、視覚障害者がパソコンで電子メールの交換や多様な情報へアクセスすることなどを可能にし、情報収集やコミュニケーションの幅と能力を拡大し社会参加を支援することを目指すというSCCJの趣旨は非常に意義深いものだと思いました。 お話をお聞きする以前は、視覚障害を持つ人々にとっての情報源といえば、点字書籍あるいは朗読などであろうという固定観念がありましたが、30万人の視覚障害者のうち、わずか1割弱の人しか点字が読めないということをお聞きし、まず認識を新たにいたしました。昨年の夏、バリアフリーを目指して作られたというホテルを見学する機会がありました。エレベーターやトイレ、公的スペースは勿論、障害者用客室には、ポイント毎に点字表示がなされていて感心いたしましたが、この事実から考えると、音声を利用した方がより効果的ではないかと感じました。 コンピュータによって、本が電子化され、音声合成や点字ディスプレイで読めるようになれば、障害者にとっての情報アクセスの幅が広がります。インターネットでは最新のニュース、天気予報、電車の乗り換え案内、飛行機の予約情報、観光地の案内、辞書の類までがアクセスできるようになっています。その他にも障害者にとって有効な福祉機器に関する情報なども充実しています。したがって、それらの情報へアクセスするのを支援するコンピュータ画面や機能、文字入力、ホームページなどの音声リーダーやホームページリーダーなどは、非常に画期的な存在だと思います。 現在ではWEBのページなどを直接音声で読み上げるスクリーンリーダーが普及し て、健常者が用いるブラウザとの互換性も高く実用的ですが、必ずしもすべての機能をサポートしているとは限らないので、それぞれのスクリーンリーダーがどこまで 機能的にサポートしているのかという点を確認することが必要であるとの ことなので、ますますの技術革新が望まれるところです。 改めて考えてみると、インターネットは健常者にとっては勿論ですが、 障害者にとってのメリットのほうがはるかに大きいのではないかと思います。「健常者は自分のためだけでなく、障害を持つ人たちとのコミュニケーションの場を広げるといった視点からもインターネットを活用できるようにして欲しい。」というお話も大変印象に残りました。視覚障害者のインターネット(パソコン)利用増大のための支援活動をしていらっしゃるSCCJのご発展を心から祈念いたしております。ご講演どうもありがとうございました。
★浅野@SCCJapanです。メール有り難うございました。
常識の罠とは恐いものです。私も視覚障害イコール点字と思っていました。まだまだ 常識の罠に私たちは縛られています。アメリカでは低所得者の電話料金はただにして いる州があり、電話料金を全面的にただにしようという動きがあります。これなんか もコペルニクス的転換。日本ではいつのことか。 浅野

●大阪大学大学院国際公共政策研究科博士前期課程1年 今西 貴夫 takao-i@withnet.ne.jp
先日は大変勉強になるプレゼンテーションありが とうございました。
私は、大学院で国際関係論を専攻しているのですが、その一つのトピックとして、「科学技術の進歩」というものがあります。一見、ポジティブなイメージの言葉ですが、生活が便利になるという反面、その科学技術の進歩についていけない発展途上国や、先進国の中でも高齢者や身体障害者の方など、取り残されがちな人がうまれ、新たな南北問題の原因になっていくと思います。そこで私は、そういった問題を解決するためにもNPOの役割が重要になってくるのではないかと思っています。私の知人がアメリカにあるシニアネットという団体でインターンを経験し、いろいろ話しを聞いたのですが、その団体は、高齢者にパソコンの使い >方を知ってもらうという活動を行っているそうです。このような活動が >日本でも増え、サスティナブルなコミュニティが実現することを祈っています。これからも活動頑張ってください。では、失礼します。
★浅野@SCCJapanです。 大西さん、メール有り難うございます。シニアネットは大きな団体で、数十万の会員 がいるそうです。孤独で眠れない夜のチャットなど、人気があるようです。日本でも 独居老人や孤独死という言葉がなくなるようにしたいものですね。

●大阪大学・公共政策学科(M2) 主原 shuhara@adm.crl.melco.co.jp (Akira Shuhara)
講演の感想を述べさせて頂きます。
4年ほど前、私の職場に難聴者の人が一人入社してきました。彼とのコミュニケーションをはかる為に私はさっそくEメールを使えるように彼を指導しました。今日の話は全盲の人手でもインタネットが使えるようになったということで、時代の変 化、機器の進化の早さを感じました。講演を聴いた後、私はさっそく近くに住む義父と義母の家に行き、講演の概要を説明しました。義父は盲人ではないのですが、白内障を患ったせいか、視力が非常に悪く、目から5センチ以内に近づけないと新聞も読めない状態です。また脳梗塞で倒れたことがあり、それ以来手足の一部が不自由です。義母は健常で、先週から自宅でインター ネットを始めています。最近義父は点字を習い始めたそうです。義父が言うには点字の書き方はすぐに覚 えられたが、読むのに非常に苦労しているそうです。というのは、点字では書いたも のを裏から読む為に、書くことができても必ずしも読めないそうです。読む時と書く 時では頭を切り替える必要があり、これが年をとってから覚えたのではスムーズに出 来ないからです。おまけに、手を自由に動かせない為に、指の感覚も鈍っており、点 字を読むのは並大抵ではないという話をしてくれました。全盲の人でも、音声リーダを使えばインターネットが使えるという話をしたら、 非常に興味をもってくれました。義母がインターネットを使えるようになったばかり であり、取りあえずは、点字をマスターし、それから専用のパソコンを買おうと言っ ていました。 点字を読める人は日本ではたかだか3万人ということでした。情報機器の発達が障害者の活動の幅を広げるのに役立つのであれば、すばらしいことだと思います。
主原 昭 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 開発支援部  環境・ISO14001プロジェクト TEL:06-497-7035 FAX:06-497-7288
★浅野@SCCJapanです。 メール有り難うございます。 確かに中途失明の方で、点字を読むのに困難を伴うようです。でも、ホームページも 音声で聞ける時代です。義母さんがインターネットを習い始められたそうですが、 ホームページリーダーというソフトの購入をお勧めします。それで、ニュースをリア ルタイムで聞くことができます。音声リーダー等のソフトの購入などは視覚障害者の 為のソフトに関して大変お詳しい園さんにお尋ね下さい。

●大阪大学大学院 国際公共政策研究科 M1 高橋 京子 ktaka@oap.co.jp
先日は、「デジタル情報革命とNPO」というテーマでのスピーチを、興味深く聞かせていただきました。インターネットについてだけではなく、日本の視覚障害者の方々の現状を知ることができ、またコンピュータの音声化を利用しての、操作方法などを実際に見ることができ、とても勉強になりました。
今後、高齢化社会の進展を考えると、健常者だけでなく、高齢者や身障者が在宅でもインターネットを利用して、情報を得るということは、とても有意義な事だと思います。特に、視覚障害者が、ブラインドタッチを習得し、コンピュータの音声サポートにより、Emailやインターネットを通して、情報交換や情報入手を行うことは、さらに、在宅ワークの可能性にもつながる素晴らしいことだと思います。
今回興味を持ちましたのは、コンピュータの使いやすさ、ユーザビリティと言う面です。私は現在、通産省の外郭団体である(社)人間生活工学研究センター に勤務しておりますが、そこでは、人間適合型の製品開発や環境設計に関するいろいろなプロジェクトが行われています。私の所属する部署では、昨年度は、人間工学の観点からみたユーザインタフェース設計に関する研究会、今年度はISO13407の国際標準化に向けての委員会の事務局をしていることから、個人的に、製品、特にコンピューターの使いやすさやユーザビリティ、またはバリアフリーの製品には、とても関心があります。  SCCJapan は、デジタル時代の教育と人材育成を目指されているとのことですが、製品、特に、先日見せていただいたような、コンピュータ製品のインタフェースをデザインの段階から、助言あるいは何らかの関与はなさっていないのですか。視覚障害者の方々のニーズを、ユーザインタフェース設計の段階に反映させれば、もっと使い易い製品ができるのではないかと思います。  最後にもう一つ質問があります。スピーチの中で、米国のパソコンの普及状況と、日本の状況を比較説明されていましたが、米国の視覚障害者は、パソコンから、どのような利益をうけているのですか。パソコンの普及率から米国は日本の5〜10年進んでいるといわれますが、日本の視覚障害者が、インターネット使用等でこれから見習うべきことは、あるのでしょうか。
お忙しいとは存じますが、上記の質問の答えをいただければ、幸いに存じます。
★高木@SCCJapanです。
高橋 京子さん、メールありがとうございます。
>視覚障害者の方々のニーズを、ユーザインタフェース設計の段階に反映させれば、
視覚障害者でないとわからないことが、たくさんあります。 そのニーズを反映させるには、視覚障害者がコアにならないとと思います。 例えば園さんは、音声認識電子電話帳「ピッポッパロット」の製品開発の企画を されました。
視覚障害者のニーズは、高齢化社会の中でも必要となるものが多いと思っています。 そういう意味で、物つくりの立場からみたら、視覚障害向けの商品が、 高齢化社会の中でも多いに受け入れられると見ています。
問題は価格で、従来の発想では、視覚障害者のマーケットしかみていないので、 高くなっていました。マーケットを広くみてマーケティングを始める企業がこれから でてきますので (例えば、IBMのホームページリーダなど)、いわゆるユニバーサル化がすすむと思 います。
>米国の視覚障害者は、パソコンから、どのような利益をうけているのですか。
米国のことは、私は良くわかっていません。音声リーダ等のソフトウェアは、米国が 初ですので、 すすんでることは間違いありません。
今後、リサーチされたら、ぜひ、教えてくださ い。
参考までに、一度見てください。 American Foundation for the Blind http://www.afb.org/afb/