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 民の力 倉敷の場合
 大原謙一郎氏

1.日本のNPOについて
NPOのあるべき精神:制度のまえに組織・活動ありき 日本のNPO実際は純粋に民間ではない。官庁の許可、監督を受けている。
∴日本のNPOは制度の桎梏にとらわれている。 大原美術館は許可外のことをやっている。規模の小さいNPOではできない。

2.地方のパワーについて
◇日本の地方には歴史の面影残っている
地方には固有の歴史がある 吉備:吉備彦 吉備平定のために派遣された司令官 古墳の全長350m 吉備の王様はそれだけの力あった! …今から30年前までの解釈 しかし造り山古墳(米子 壁画:白鳳時代)の方が古墳を造った時期早かった。 現在は地方それぞれの歴史を見直している時期。

◇倉敷はどうか?
・かつて天領であった。
∴大名がいない。警察力がない。 代官所の代官は善政をしないとやってゆけない(Build-in Stabilizer) 備前岡山 池田藩姫路本家 善政
・13ファミリー 地主資本が支配 税金安い。商人が流れ込む。
・天領デモクラシー

◇京都はどうか?
・地方のチャンピオンになれる
地方のチャンピオンになってほしい。東京覇権主義に唯一対抗できる。
・大阪ミニ覇権主義やっている。地方のチャンピオンにはなれない。
・京都は文化だけでなく、総合評価でも大阪よりも位は上!(cf. 伏見に銀座ある)

◇地方主権の時代
・来るべき明治維新に備え、地方独自の経済、社会システムをつくっていた よって明治維新(中央集権化)で全てはなくならなかった!
・首都は過去に2度歴史を捨てた。by梅棹忠夫
1回目:明治維新 幕藩体制の否定 歴史を捨て去る
2回目:第2次世界大戦
しかし地方では歴史・文化は脈々と生き続けている。 地方は今こそ怒らなければいけない。
・地方こそが日本再生のカギを握っている。文化の蓄積地方にあり。

3.大原孫三郎と美術館
◇大原孫三郎
・大原美術館を始め様々な施設を設立。 始めは福利厚生施設からスタート
倉敷病院
倉敷労働科学研究所
大原美術館
大原社会問題研究所
大原農業研研究所

・人を信頼したらとことん信じ込んでお金を貸す 画家児島虎次郎に欧州で絵を買わせる
最初の絵:台形アマン・ジャンの絵 日本人のまなざしで絵を選ぶ。 1枚だけ他人が選んだ絵がある。 モネ:睡蓮の絵

◇美術館
・美術館:国威発揚のための手段 例)ナポレオン 略奪美術館
・アメリカの美術館
例)MOMA 新館建設計画中 展示の仕方が革命的 新たなロマンを模索中  例)ポールゲッティ美術館

・それに比べて日本の美術館は… 特に公立美術館はひどい! 地方議会をなんとかすべき 美術館の予算作成にも県議会の認可が必要。

4.まとめ
・新たなNPOだけでなく既存のNPO(財団法人 社団法人)も同様に真剣に考えなければならない。
・純粋なNPOパワーを引き出すには政府の許可を廃さねばいかない そのためにも民間NPOはlegitimacyが必要。 きちんとしたガバナンスの体制をつくるべき。 モラールコンシャスのある経営をすべき。
・地方分権ではない。地方主権を目指せ!

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